最終号 平成16年12月
発行人 情報ネットワーク委員会
委員長 佐藤 正幸

日 時 平成16年11月30日(火)午後8時30分〜午後11時
出席者 秋津コミュニティ顧問 岸 裕司様

社団法人習志野青年会議所 司茂晃史・藤本一磨・森英樹・織戸克久・田久保浩一・佐藤正幸

司会・進行 情報ネットワーク委員会 運営幹事 田久保 浩一 君



田久保:  皆さん、こんばんは。本日は社団法人習志野青年会議所HP上で展開しております習志野JCマガジン「ひろし書く語りき」秋号特別企画にご参集頂きまして、誠にありがとうございます。
 本日は、特別ゲストとして秋津コミュニティ顧問の岸 裕司様をお迎えして、当青年会議所理事長の司茂 晃史君と「望ましい地域のあり方」というテーマで、座談会形式にて対談を進めて頂きます。
 私は本日、司会・進行を努めさせて頂きます情報ネットワーク委員会の田久保です。どうぞ宜しくお願い致します。
さて、本題に入ります前に、既にご存知の方も多いかと思いますが、本日のゲストの岸裕司様のプロフィールを簡単にご紹介させて頂きます。
 岸裕司様は1952年、東京のお生まれで、現在52歳。書籍専門の広告・デザイン会社Xパンゲアの代表取締役でございます。習志野市秋津にお住まいで、秋津小学校を中心とした学校と地域の融合したコミュニティ作りの中心としてご活躍されておりまして、ご自身の著書の「学校を基地にお父さんのまちづくり」や、「「地域暮らし」宣言・学校はコミュニティー・アート」などで、全国的にも著名な方でございます。
 また、現在、秋津コミュニティ顧問、学校と地域の融合教育研究会・副会長、習志野市「図書館について勉強する会」会長などをご歴任されております。

では本題に入っていきたいと思います。まずは、日頃まちづくりについて、様々な取り組みをしてきております、秋津コミュニティと、習志野青年会議所の現状について、それぞれお話頂きたいと思います。
まず岸様よりお願い致します。

岸:
 本日、このような席を設けていただいて、理事長さんとの対談ができるということで、大変楽しみにしておりました。どうもありがとうございました。
 私は東京都の文京区から秋津の町に24年前に引っ越してまいりました。三人の子どもの父親です。三人の子どもはすでに成人しておりますが、子どもと一緒に秋津の町に暮らしてきたものですから、子供会をつくったり、更には保育所親の会、またワイフが働いているものですから、学童保育親の会などそういうところで父親として力仕事に積極的に参加してまいりました。その延長で、PTA会長を含めて役員を7年務めてまいりました。更にたまたま、PTA創立10周年の時に私が会長だったものですから、お父さんの出番つくりを考え、飼育小屋を新築することから始まり、その後現在まで様々なサークルを作りお父さんたちが学校に通うことができる様な活動をしてきました。

秋津コミュニティ顧問 岸 裕司様

 
その当時、市から生涯学習研究指定校になり、それがきっかけで秋津の町全体で生涯学習の町にしていきたいという機運が高まり現在の秋津コミュニティという団体をつくり会長を経て、現在は顧問になっております。
私が特に秋津の町と学校の橋渡しでこだわってきたことは、一方で私はビジネスマンとして、「WIN&WIN」(融合の発想)関わりあう双方のメリットがないと仕事は長続きしないという考え方です。保護者または教職員でメリットのある関係を作っていく、更に学校と町の双方のメリット、又は町と行政(市長部局)も「WIN&WIN」で今日まで行ってきました。
特に秋津の町に来たときは20代ですから、本当に先輩方はえらかったですねー。市の中ではインフラがすべて整った町でしたが、習志野市民としては新参者であります。だからこそは自分たちでやっていこうという考え方だったですね。行政にものを頼むのは最後でした。私は自助・共助、最後に公助のまち育てと呼んでおります。
新参者であるがゆえに、習志野市の歴史を知らないから、例えば「習志野市史跡めぐり」を一日かけてやってみたりしました。その延長で学校教職員の相互のメリットを求め授業の中にも盛り込んで、先生だけでは足りない部分を積極的に保護者、それには私のように子どもが学校を卒業しても関わっていくような地域のおじさん・おばさん・教職員と保護者や地域の人との信頼関係をつくってきました、その延長で1995年習志野市教育委員会の大英断で秋津小学校コミュニティルームという名称で施設を開放してもらいました。4つの教室と300u余裕花壇と焼き釜施設を開放してもらいました。この3つの施設を秋津小学校コミュニティルームとして今日まで使わせていただいております。
それらを通して開かれた学校とか学校を開くということが、あちらこちらで言われるようになってきているが、私たちの経験では2つあります。一番目に開くのは授業を地域に開くということです。2番目に施設を開くということで、私たちは考えております。
現在、そういう実践を踏まえて文部科学省推奨コミュニティスクール「新しいタイプの学校運営のあり方に関する実践研究」の指定校になっております。今年で3年目つい昨日、発表会が文部科学省主催で行われまして、法律が変わり、我々の実践研究の成果もあって、文部科学省は日本全国どこでもコミュニティスクールという名称の施設ができるようになりました。特徴ですが、学校運営協議会というのを各学校区で立ち上げて教職員の任用に関して、意見を伝えることができるようになりました。
現在は学校づくり、町育て、人育ちは三位一体のものである。」と考えております。幸いにも、昨年までは子どもの数が減り続けていましたが、本年は児童数が31人増えました。また、幼稚園児も10人増えました。そういう訳で継続した町づくりをする為に安全で安心でどんな子どもでも地域のみんなで育てていく大切さを感じています。

司茂:
 広く青年会議所の目的とは「明るい豊かなまちづくり」と言われており、我々の所属する(社)習志野青年会議所は地域社会発展への貢献と指導力経営開発の資質つまりはリーダーシップの向上を目的であるとしております。そのような目的とともに、今まで私達の先輩方が築いてきたもの、他の青年会議所が行ってきたもの、そしてさまざまなまちづくり団体が行ってきたものなどを意識しながら、我々は実際に何をしていかなければならないかの筋道を考えて行動をしていかなければならないと思っています。ここ数年の習志野青年会議所の流れではさまざまな運動展開の中で地域社会への政策的な取組みをすることのウエイトが高くなってきていますね。そしてまた、青少年健全育成のための従来からの継続事業である「わんぱく相撲」や「市民まつり」では実行委員会にメンバーが出向しながら企画段階から参画したり、会員の資質向上のための研修事業なども行っております。
社団法人習志野青年会議所  司茂晃史君

田久保:  ありがとうございました。それぞれの現状についてのご説明に対し、ご意見や感想などございましたら、お聞かせ下さい。

司茂:  私が先程申し上げたような地域の青年会議所として行われる事業とともに、広域的な青年会議所の協議体として千葉県、関東地区、日本などのJCのグループにも我々は出向したり、そこでの事業に参加したりすることもあります。そのような中で、今年の3月に行われた日本JCの総会の基調講演で全世界的な組織として「循環型社会」を目指すことを目的とした「ナチュラルステップ」という団体の日本支部の代表の方の話を聞く機会がありました。環境の健全化をしていくことによって継続可能な循環型社会を築いていこうという内容でしたが、先程の岸さんの話の中でこれに繋がると感じたのが「安全と安心が継続的な地域コミュニケーションの構築に不可欠である」というような意味合いの部分です。よろしければ、このあたりの話を具体的にお聞きしたいのですが。

岸:  ありがとうございます。まちづくりなりコミュニティづくりを考えるときにハードとソフトの二つの面があります。秋津の場合は「ヒト・コト・モノ」にプラスしてトキの概念も大切であると考えております。年代的な問題がほとんど解決すると思います。少子高齢化社会も「少ない子を多くの大人が見守る」と言う考え方ですね。また、お年寄りが様々な秋津コミュニティのサークルに参加して自らの楽しみや学びとして生涯学習をしています。薬を飲まないお年寄りが増えているんですよ。
一年間に秋津コミュニティルームを利用する人は一万人います。習志野市に負担して頂いてる水道光熱費以外は、年間三万円で運営されてます。生涯学習の拠点として機能しています。お金をかけないで一万人が利用する施設が公立の秋津小学校にできているわけですから、私はどこにでもできると思います。
更には「習志野ベイサイドスポーツクラブ」卓球大会では子どもから大人まで参加できる大会ですが、学校ではレギュラーになれない中学生も、小学生の前では輝けるおにいちゃん・おねえちゃんになれるのです。やはり学校体育だけではなく、地域社会にできることそういう面のソフトもあります。
更に、現代的な課題として「お父さんの居場所づくり」というのがあります。19997年からわが国では、毎年三万人の自殺者がいます。10年で30万人になります。その内訳は圧倒的に30代から50代のサラリーマン世代が多いんです。まさに、JCの世代や私の様な世代の人たちが自らの命をたっているのです。一方で、思うのですが会社・ビジネスの世界以外で自分の居場所がないからではないかと。コミュニティ活動は様々な人とふれあいができ、その姿を子どもたちが見て喜び、親と子の会話も増えます。つまり精神的な居場所がお父さんたちにできるのです。
お母さんたちも様々なサークルを通じて活動をしております。秋津では核家族が圧倒的に多いのです。お父さんが会社へ、子どもが学校へ行ってしまった後のお母さんの孤独感の解消にもつながります。
また、先生のおかれた立場も状況は厳しいですね。現在、小学校の先生の8割が女性です。そこにこそお父さんの出番があるわけです。そして自身が輝き、生かされる喜びを感じられるのではないでしょうか。また先生方も喜んでくれる。秋津では年間23件の学校融合のプログラムを実施しております。
「住んで安心・暮らして安全の楽しい町」そういう町だから、だれもが主人公になれると思います。そしてだからこそ、Iターン・Uターンという人たちが増えてきているのではないでしょうか。
私は、まち育ていうのですが、自らが意思をもった人たち、又は仲間作りをする、そして「ヒト・コト・モノ プラス トキ」という概念を、つまり10年後はどういう町にしていきたいかという価値観を共有しながら、もちろん老後のことも含めて徹底的にディベートしていく、だからこそ「まち育て」という言葉がフィットするなーと思います。

田久保:  ありがとうございました。最後に今後、望ましい地域のあり方として、どうあるべきか、あるいは、どうして行きたいか、そのへんについてお考えがあれば、このHPをご覧の皆様へのメッセージも含めてお聞かせ下さい。

岸:  習志野市民の方に言わせて頂けるのならば、習志野市は大変古い町です。貝塚もありますし、寺子屋の歴史もあります。今は、教育は先生におまかせみたいな風潮がありますが、先人の思いを是非、見習って頂きたく思います。新しい風土を作り、歴史をつくり、みんなで力を併せて世界に自慢できる都市を創造していきたいと思っています。

司茂:  あちこちのJCやまちづくりの団体から講演の依頼をされている岸さんのことをはじめて知ったのは、2002年に私が千葉ブロック協議会に出向した委員会の他LOMから出向したメンバーの口からでした。また、日本全国の各地からまちづくりの見本とされる人が習志野で実践されているのに、習志野青年会議所が関わりを持たないわけにはいかないだろうと私は本年の当初から思っていました。そして今回、情報ネットワーク委員会が思い切って行動を興してくれたおかげで悲願が叶うともいえるようなこのような機会を得ることができました。岸さんは本当に「ひと」と「まち」に強い思いと考えを持っていらっしゃる方だと実際に話してみて痛感しております。この対談の前段階の打合せの時に岸さんが「ひとづくり=まちづくり」であるとおっしゃっていましたが、このような方がたくさんいたら、もしくはみんながそんな強い思いと考えをもつことができたら、すばらしい「まち」すばらしい「社会」になることが容易に想像することができます。習志野青年会議所が追い求めるところもきっとそういうことであると思います。私個人としても今回は本当に貴重な体験をさせていただきました。
私は今年で40歳になります。卒業に近づいてまいりました。卒業してから、何をしなければならないのか、本日のお話で答えが見つかったような気がいたします。残された期間の中で私が愛する習志野JCを盛り上げていかなければならないという気概にも溢れてまいりました。本日はお忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。

田久保:  ありがとうございました。理事長所信の最後の言葉にもありますように、「人の心を動かすことのできる集団であるならば、望むべく環境を切り開いていくことができるはずです」。本日、こうして地域づくりについて素晴らしい実績を築かれた岸様とお会いする機会を得られましたので、今後、この習志野という地域でともに活動するものとして、時には協力しあいながら望ましい地域を作る為に、努力していきたいと思います。
本日は、お忙しい中、ご参集頂きまして、誠に有難うございました。


左から田久保情報ネットワーク委員会運営幹事・森総務委員長・藤本次年度理事長・岸様・司茂理事長・佐藤情報ネットワーク委員長

編集人 情報ネットワーク委員会 委員長 佐藤 正幸
担当委員会 情報ネットワーク委員会


ちこうごういつ

【知行合一】

“私達、青年会議所は習志野市を動かす青年行動集団です!”
2005年・第32代理事長 藤本一磨

 今の世の中を批判する事は簡単です。そして単なる批評家があまりにも多いように感じます。今の世の中を嘆き、憂いていても何も変わりません。私達は敢えて、この先行きの見えない混沌とした時代に挑戦していきます。
 私達、青年会議所は「社会を積極的に変革する集団」であって「明るい豊かな社会を実現」することを目標に掲げている行動集団です。国や地域の行く末を真摯に考え、想像力&創造力を持って、地域に対して積極的に行動する集団です。
 また、個々のメンバーは社会に対して自覚と責任を意識した大人の集団でもあります。更に個々のメンバーは様々な職種に就いて第一線で仕事をしていますが、青年会議所は各々の業界に拘らず、国や地域といった大きな視点に立って次世代のリーダーを育成する団体でもあります。
 本来であれば、仕事をする、趣味、勉学に費やせる、家族と団欒できる、又は友人恋人と楽しい時を過ごせる…、そんな貴重な時間を少しずつ自ら割いて活動しています。全てのメンバーは自分の意思で活動していて、強制的に活動させられている訳ではありません。青年会議所活動は全て自分次第です。
 そのような組織とメンバーが集う(社)習志野青年会議所は、この閉塞感が漂う今の日本そして習志野市を、【知行合一】のスローガンの下、若い世代の想像力&創造力を持って、積極的に変革し、次世代の新しい社会を創造していきます。 

 【知行合一】・・・中国の明時代の陽明学の学説。知=心(心は人間を主宰するもの)ととらえ、知(=心)が良知であり得るためには人間の中にある程度の実践的姿勢が必要であり、知(=心)が何らかの実践的契機と結びついて始めて真に良知たり得るというのが知行合一のもともとの意味。私はこれを「知っている事または知らなくてはいけない事(これには絶え間ない勉強、学ぶ事が必要だ)と、己の行動(これには強固な意志と覚悟が必要だ)を一つに合わせる事、つまり知識と行動を一致させるという意味で使っています。知の根底には日本の心があることは言うまでもありません。

 紙面の都合上、具体的内容は割愛しますので詳細は基本方針・基本計画・理事長所信等をお読み頂ければ幸いです。どうか1年間、ご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。





最後に・・・
2004年度 理事長 司茂晃史

 JCの活動・運動には指針となる「まちづくり」「ひとづくり」という2つの概念があります。私が習志野JCに入会して以来、この2つの指針がどのような意味を持ち、どのような展開に結びついているのかをずっと考えてきましたが、今までの経験とともに今年一年間の事業・例会を通じて、そして多くの人々との交流の中で、今となってはわりとその言葉が明確に理解ができるようになった気がします。
 JCで行うさまざまな取組みの目的が「修練」という言葉に置き換えられるように「ひとづくり」に傾向しているという感が今までの私自身にはありましたが、その目的のための題材は「まちづくり」であり、その取組みによる「ひとづくり」が行われた効果は「まちづくり」に必然的に反映されるという図式になるのだとこの頃になって考えが落ち着かせられるようになりました。
 我々がそれぞれに社会生活を営む以上、社会と個人とは互いに切り離せない存在となり社会は個人に影響を与え、個人が社会に影響を与えるということは当たり前のことのようですが、私がこの「個人が社会に影響を与える」ということについて「与えられる」という可能性を含めた表現をもって実感できたのは習志野JCというこの団体を通して社会との関わりをもてたおかげであります。
 「ひとづくり」とは自己の成長とともに他の人を育てることであり、「まちづくり」とは自分(達)の生活環境を快適にすることを意味します。以前の私はそのための行動する術を知らなかったり、自分が無力であると思い込んで心のどこかで諦めていました。以前と今の自分の違いは「気付き」と「真剣に考える」ということにあると思います。気付いたことによって真剣に考える、または真剣に考えたことによって気付く。そのような思考をすることによって段々と何が正しいかが見えてきて、本来あるべき自分と社会の姿が見えてくるはずです。おそらく一人で考えていたのでは、行動に至らずに終わってしまうかもしれませんが、同じように真剣に考えあい、話し合い、共感しあうことができる人たちがいたら行動することの可能性が見えてくると思えるのではないでしょうか。私の場合そういった考え方が習志野JCで修得をすることができました。話し合うことによって共感しあえる考え方を身につけ、多くの人たちとともに多きな目的のある行動を興せるということ。まさに今ここでも、このHPを見ていただいている習志野JCのメンバー以外の方々にも私はそれを自覚しながら訴えかけているわけでもあります。
 習志野JCは今年一年さまざまな意義のある活動をして参りました。そのうちどれだけの人にどれだけのことが目にとまったかは計りしれませんし、微々たるものかもしれませんが、これからも習志野JCはますます「まちづくり」と「ひとづくり」を中心とした魅力のある活動をしていきます。今後とも関わりと協力をしていただける機会がありましたら宜しくお願い致します。自画自賛ではありますが、あえて言わせていただきます「習志野JCは素晴らしい団体です」

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